お人形を片付ける時に気をつけること
だんだん暖かくなってきました。
本日は3連休の初日。皆様いかがお過ごしでしょうか。
連休ならば、遠出したり、ちょっと豪華なご飯を食べたりしたくなります。
普段なかなかできないことをする絶好の機会です。
さて、普段なかなかできないこととしてもう一つ思いつくのが、家の片付け。忙しく働いてると、大事なこととわかっていても先延ばしにしてしまうという方も多いのではないでしょうか。
ということで、本日は3月も半ば。3月3日のひな祭りも終わりましたが、普段はなかなかできないお人形の片付けはおすみですか?
今日は「お人形を片付ける時に気をつけること」と題して、注意するポイントを3つ紹介したいと思います。
- その1.湿度に気をつけましょう。
- その2.ホコリを落としてからお片づけしましょう。
- その3.防虫剤を入れるときは注意しましょう。
その1.湿度に気をつけましょう。
お人形を片付ける際に、もっとも注意していただきたいのが湿度です。
湿度が高い日に片付けをすると、収納箱の中に湿気を取り込んでしまい、お人形にカビが生えてしまう原因になります。
ですので、晴れの日が続いた、乾燥した日に片付けをするようにしてください。
また、片付ける場所も重要です。押入れの2段目に片付けたり、すのこを引くなどして、湿度が低い状態で保管するのが良いでしょう。
②ホコリを落としてからしまいましょう。
お人形を飾っておくと、気づかないうちに衣装やお顔にホコリがついています。
しまう時には、購入した際についてきた、毛ばたきでホコリをよく落としてからしまいましょう。
また、お人形は髪飾り、帽子などをつけている場合があるので、お顔などの細かい部分は、お習字用の筆(未使用)で払うのがオススメです。
下の写真はもう10年以上前の奥村家でのお片づけの様子を撮った写真です。
衣装の隙間を筆を使ってホコリを取っています。
③防虫剤を入れるときは注意しましょう。
お人形は、木材や絹糸など、自然の素材でできているので、管理が甘いと虫が食べてしまいます。
木目込み人形などは、胴体部の桐塑の部分を虫が食べてしまい、スカスカになってしまっているものなどを見たことがあります。
ですので、虫食いには注意が必要です。
虫食いを防ぐために、防虫剤を使いますが、場合によっては人形を傷めてしまうことがあります。お人形に直接触れないように、顔や衣装を柔らかい紙で包んで、箱の中に防虫剤を入れるようにしましょう。
雛人形を長く出しっ放しにしておくとお嫁に行くのが遅れる?
よく聞かれる話ですが、そもそも雛人形はいつ頃までに片付けなければならないのでしょうか?
ひな祭りが終わったらすぐにしまう地方もありますし、地方によっては旧暦のひな祭りまで飾っておく習慣もあるようです。奥村商店のある九州・福岡地方では、旧暦のひな祭り(今年は3月30日)まで飾るという風習もあるそうです。
節句は季節の節目にお子さんの成長を祝い、今後のさらなる成長をお祈りする行事ですので、季節が変わった後に出しておくのはまずいです。ですが、絶対にこの日までに片付けなさいというわけでもありません。
「お嫁に行くのが遅れるよ」というのも、ほったらかしにせずに大切に扱いましょうということから作られた戒めの言葉だと思います。
ですので、片付けをする際は、あまり日取を気にしなくても大丈夫なので、晴れた日に、湿気に注意してお人形をしまうといいと思います。
さて、今日、明日は晴れが続くようです。
お時間のある時に、ご家族みんなでお片づけするのもまた、良い思い出になるかと思います。
株式会社 奥村商店について
奥村商店は博多区中呉服町で明治17年より営業する玩具・駄菓子問屋です。
一般のお客様へのおもちゃや駄菓子の小売販売のほか、雛人形や五月人形(鯉のぼり、兜など)、花火や盆提灯を販売しております。お気軽に足をお運びください。
※福岡市営地下鉄呉服町駅、蔵本交差点徒歩1分の距離です。駐車場もございます。
電話(節句人形・花火)092-291-5043 電話(玩具・駄菓子 )092-281-1578
【気になるおもちゃニュース】SNSから見えるひな祭り
遅くなってしまいましたが、「気になるおもちゃニュース」2月13日号です。
Weekly Toy News(週間玩具通信)の2017年2月13日号から気になるニュースを取り上げたいと思います。
ニュースはこちらです。
奧村商店では、駄菓子・玩具以外にも節句人形を販売しています。毎年の桃の節句や端午の節句の業界全体の動向はとても気になるところです。
先週号では、今年の桃の節句、ひな祭りに関連するニュースが取り上げられています。その中から気になることを少し掘り下げていきたいと思います。
伝統重じつつSNS投稿でイマドキに〜日本人形協会・ひな祭り意識調査〜
どんなニュース?
このニュースでは、毎年実施される日本人形協会によるひな祭りの意識調査の結果がレポートされています。
調査対象は、0〜5歳の子供を持つ女性500名で、7割弱の方が「雛人形を飾る」と回答しているようです。また、2割強の方が、「SNSにひな祭りの写真を投稿したことがある」と答えていることもわかりました。
全体の傾向としては、半数以上の方がひな祭りに何らかの形でお祝いすると言う結果が出ているようです。
どこが気になる?
このニュースの気になる点は、「SNSにひな祭りを投稿したことがある」と言う方が2割強いらっしゃると言うことです。
少し話は変わりますが、皆さんは、他人のお家でどんな風にひな祭りのお祝いをしているかご存知ですか?
私は雛人形を販売しているものの、販売した後にお客様がどのようにお人形を飾っていらっしゃるのか、ひな祭りをどのように過ごしていらっしゃるかは、なかなか知ることができません。
節句人形業界に携わっている身として、人形に関する知識はもちろんのこと、一般の方がどのように節句行事を過ごしていらっしゃるのかを知らなければならないなと日々感じていますが、そのきっかけがなかなかつかめません。
過去にどのように雛人形が受け入れられたのかは業界の先輩方に聞くことで知ることができます。しかし、節句人形業界の市場規模が減っていることから、過去のこともそうですが、現在どのように節句行事を過ごし方をしているのか、”イマ”のことを知ることが特に重要だなと思っています。
そういった意味で、「SNSにひな祭りの写真をSNSへ投稿する」と言う人たちが2割いると言うことに注目しています。
SNSを通して節句行事の文化により多くの人たちが触れることができますし、業界の中の人としても、SNSへ投稿されるひな祭りの写真を見て、お客様の”イマ”を知り、文化の受容され方や文化の変化を感じ取り、それを元にお客様に新しい価値を提供していくことに繋がるのではないかなあと思っています。
SNSでひな祭りの様子を観察してみよう!
そんなこんなで、ひな祭りを始め節句行事のシーズンは、SNSを良くチェックしています。
特に、ここ数年、流行している写真を投稿するSNSのInstagramで、ハッシュタグ「#ひな祭り」や「#雛人形」などをよく検索しています。いろんなお人形がありますし、皆さんそれぞれ工夫して飾っていらっしゃることが分かります。スペースをとるため敬遠されがちな、五段飾りや七段飾りを飾っている方もけっこういらっしゃるんですね。
また、雛人形を飾るだけでなく、ドレスを着て写真を撮ったり、菱餅やひなあられ、ケーキなど、ひな祭りにちなんだ食べ物を食べたりいろんなお祝いをされています。
ハッシュタグ「#ひな祭り」は、多くの人が投稿しており、20万件以上もの投稿があります。
ハッシュタグの検索結果は昨年以前のものも含まれているので、2017年に投稿された件数はわからないのですが、日に3,000件ほど増加しているので、結構な数が投稿されているみたいです。
ハッシュタグ『#ひな祭り』の検索結果はこちら↓
気になったInstagramの投稿の紹介
さて、Instagramをこの一週間はほぼ毎日見ているのですが、せっかくなので、心に残った投稿をいくつか紹介したいと思います。
写真が見える形で紹介するのは気がひけるので、リンクを貼っていきますね。
ご興味を持っていただけたらぜひリンク先を見てみてくださいね。
その1.自由に飾る平台十五人飾り
https://www.instagram.com/p/BQuRTKRgsgh/
雛人形といえば、大きな段に、たくさんのお人形を並べる段飾りを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。ここ10年ほどは、お雛様とお内裏様の二人の親王飾りや、三人官女とお道具の少し簡易的な三段飾り、また、全体がガラスケースに入って箱から出してそのまま飾るケース飾りなどが主に売れています。
紹介した投稿の写真は、親王、官女、随身、仕丁の十五人とお道具が揃っていますが、段のない平台にそれらを並べています。一般的なイメージとは異なりますが、平台に飾るのもいいですね。
奥村商店の広告にも使用している原孝洲作の『わかくさびな』も平台に飾っております。平台の飾りは、並べ方を自由にできるので飾る楽しみが増えるのがとてもオススメです。人とは違う、特徴のある雛人形をお探しの方には平台を考慮に入れてみてはいかがでしょうか。
その2.飾るだけじゃない思い出
https://www.instagram.com/p/BQzaSFEAFcV/
この投稿の写真は、お子さんが、お道具を興味津々な様子で扱っている姿がとても印象的です。
三月三日に、雛人形を出して、その前で記念写真を撮影するのは定番ですが、こういった写真を残しておくのもいい思い出になると思います。
お人形は高価なイメージから、壊したり汚したら嫌だなと思って、お子さんが触るのを避ける方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、綺麗に作られたお人形や道具にお子さんは興味を持ちますし、それを触ったり、細かい部分を観察したいと思うものだと思います。お人形に触れて細かい部分を観察するうちに、お人形に愛着を持ち、たとえ壊したり汚したりしてしまっても、物を大切にする心を育むきっかけになります。
親御さんが気にかけながらお人形を触って遊ばせてあげるのもいい思い出になると思います。
3.ひな祭りのハプニング
https://www.instagram.com/p/BQ1c5iXl3CR/
イベントの時にはハプニングは起こるもの。そのハプニングがより思い出を鮮明にすることもあります。
この投稿の写真はその瞬間を切り取った一枚ですね。投稿者さんも考えた末にテーブルの上に飾ったようですが、その上を行く予想外のお子さん行動が微笑ましいです。
お子さんが成長してハイハイしたり、歩き始めたりすると、視野が広がりいろいろなものに興味を持つようになると聞きます。立った時、ちょうど目線の高さに真っ赤な毛せんが入ると引っ張ってみたくなるのもわからないでもない気がします。
こういったハプニングも思い出を彩るものになるはずです。
ひな祭りの終わりまでお人形が無事なことをお祈りしています。
4.工夫して飾れば
https://www.instagram.com/p/BQt-zl4hkot/
家が狭い、家の中に物が多いといった理由で雛人形を飾るスペースがないといったお悩みは多いものです。そんな住宅事情で、工夫して飾っていらっしゃるのを見るとなんだかうれしくなります。
伝統や慣習を守るのは大事ですが、型にはめ込んで絶対こうでなければならないと、ガチガチのルールに縛られると敬遠してしまう人も増え、かえって文化を守っていけなくなります。かといって、無理して大きな段飾りを引っ張り出してきて生活を乱してしまうのも本末転倒です。
節句行事の目的は、節目を設けてお子さんの成長を喜び、また一年無事に過ごせるようにお祈りするというものだと私は思います。
時代とともに生活様式は変わりますし、それぞれのご家庭によっても事情は違います。この投稿者さんのように、工夫をしながら節句行事を迎えるのは素晴らしいことだと思います。
人形を飾って節句をお祝いすることが、生活に余裕がある人だけの楽しみにならないよう、生活に取り入れやすいお人形を提案していかないといけないなと思うのですが、この写真からはとても刺激を受けました。
5.お人形を大切にする
https://www.instagram.com/p/BQtnD3tBRmj/
人形を飾ってお子さんが喜ぶ姿も見ていて楽しいのですが、少し大きくなったお子さんが、大切に人形の手入れをしている所を見てしまったら、お子さんの成長を感じてうるっとしてしまうのでは、、、と思わせるのがこちらの投稿です。
親御さんに抱きかかえられて迎えた初節句
お人形に興味を持ち出した2回目の節句
一緒にお人形を飾ることができるようになった3回目の節句
綺麗にお掃除をするようになった4回目の節句
というように、節句行事を機にお子様の成長を目にして、幸せを感じるものなんだろうと想像します。(私は結婚も子育てもしたことないのでほとんど妄想ですが。)
私も先々親になった時、子供がこんなことをしているシーンに遭遇したら、思わず感動して、泣きながら撮影してしまうんじゃないかなぁと思います。
とっても素敵な写真です。
まとめ
SNSを観察してみると、いろんな人が思い思いにひな祭りを過ごしているのが分かりました。販売業をしている身としては、お客様に販売した商品がどのように使われているのか見るのはとても貴重な機会です。お店でお客様とお話しすることや、SNSなどを通してよりお客様のニーズを掴んでいきたいなと思うのでした。
さて、今回はここまでです。
次回もお楽しみに。
※福岡市営地下鉄呉服町駅、蔵本交差点徒歩1分の距離です。駐車場もございます。
電話(節句人形・花火)092-291-5043
電話(玩具・駄菓子 )092-281-1578
HP 奥村商店ホームページ
雛人形の紹介〜木目込み人形編〜
節分もとっくに過ぎて、ひな祭りまで残り1ヶ月も切りました。
雛人形は立春ごろから飾ると言われますが、そろそろ準備はお済みですか?
立春から飾るといっても、厳格なルールというわけではないので、「好みの人形がまだ見つかっていない!」という方もご安心ください。
今回のブログでは、雛人形の紹介ということで、まずは木目込み人形のお雛様を紹介していきたいと思います。
木目込み人形とは?
概要
木彫や桐塑(とうそ:桐の木を粉末にしたものを粘土に混ぜ合わせたもの)で人形を作り、裂地(織物、布)を貼り付けて装飾した人形のことを言います。人形にあらかじめ溝(目地)を作っておき、その溝(目地)に布を押し込みながら衣装を着せるため、木目込みと呼ばれます。
江戸時代初期ごろに京都の賀茂神社で発祥したとされ、その後江戸で発展したようです。現在は江戸木目込み人形として、雛人形や武者人形、その他の人形が作られます。
木目込み人形色々
桐塑(桐の粉と粘土で作られた木目込み人形の胴体部分)
木目込み雛人形の特徴
コンパクトなお人形
木目込み人形は、衣裳着の人形と比較してコンパクトな商品が充実しています。衣裳着の人形は十二単など、実際に着物を着用している姿を表現する為に、布を重ねるのでお人形のサイズを小さくするのに限界があります。一方で、木目込み人形はある程度小さく作っても衣裳を重ねずに、着物を表現することが出来ます。ですので、衣裳着のお人形よりも、比較的小さくコンパクトなものが多いです。
昨今の住宅事情から木目込みの雛人形をお求めになるお客様も多くいらっしゃいます。
コンパクトサイズ(花香雛 原孝洲作)
横幅36cm奥行き20cmと超コンパクトサイズの親王飾り。小さいながら丁寧な作りです。
おぼこ顔
おぼこ顔とは、子供の顔の形をイメージした顔です。衣裳着の雛人形では、すっとした平安美人の顔が一般的ですが、木目込みの雛人形ではこのおぼこ顔が付いています。
顔の形は丸っこくて、目は笹目と言われ手書きの線で描かれています。子供のあどけなさが表現されており可愛らしい印象です。お客様の中には、お子さん、お孫さんの顔に似ていると気に入られて購入される方もいらっしゃいます。
おぼこ顔(原孝洲作 瑞光雛)
柔和な赤ちゃんを思わせる可愛らしいおぼこ顔です。筆で描かれており、繊細な技術が光ります。
木目込み雛人形のメーカー
ここでは奥村商店で取り扱う木目込み人形をメーカーごとにいくつか紹介したいと思います。メーカーさんの名前は人形師さんの名を冠したものが一般的ですが、その人形師さんが全てを作っているというわけではなく、分業されており、いわばデザインや仕上げなどの監修を行なっているというように考えていただければいいと思います。もちろん、一からお人形を作り上げている人形師さんもいらっしゃいますが。
人形師 原孝洲
奥村商店の新聞広告にも使用している木目込み人形の作家さんである人形師 原孝洲。東京は浅草橋を拠点とする江戸木目込み人形のメーカーさんです。無形文化財に指定された先代・原米洲の技術を受け継いだ原孝洲さんの木目込み人形は可愛らしい印象が特徴的です。
こちらはわかくさ雛という十五人飾りのお人形です。小さいながら、ひとつひとつの人形が丁寧に作られています。例えば、お掃除道具を持つ三人組の仕丁。
(左:怒り顔/右:泣き顔)
仕丁はそれぞれ異なる道具を持っており、怒り顔、笑い顔、泣き顔をしていますが、笹目の技法で細やかに顔が表現されています。シンプルな線の角度や太さで表現されるお人形の顔に技術の高さを感じます。
また、飾り台にも特徴があります。
台の下は引き出しになっており、十五人全てをしまうことができ、収納時もコンパクトです。住宅事情に配慮しつつ、デザイン性も高いのが原孝洲のお人形です。
原孝洲ホームページ
原孝洲作のお人形はネットからも購入いただけますが、『マスターショップ一覧|雛人形の人形師 原 孝洲』に奥村商店も指定されております。
九州では奥村商店の一件のみのようです。お人形を手にとってご覧になり購入されたいという方は、ぜひ奥村商店へご来店ください。
千歳雛(純金箔京蒔絵)
大和雛(親王飾り)
東玉工房 賢一(雛匠 東玉)
関東の人形の町と呼ばれる埼玉県岩槻市の人形メーカーの雛匠 東玉(人形の東玉)さん。衣裳着のお人形も作っていらっしゃいますが、江戸木目込み人形の大家である鈴木賢一氏が所属されてたことから現在も賢一というブランドで木目込み人形を販売されています。(鈴木賢一氏は2010年に亡くなっていらっしゃいます。)
節句人形を制作されている人形師さんの中では数少ない日本工芸会の正会員であり、雛人形のみでなく数々の人形を制作され、その技術が高く評価されています。
現在は、東玉工房 賢一として、お弟子さんたちによって制作されています。
鈴木賢一氏プロフィール
木目込人形・鈴木賢一の閲歴|埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)
豊和の春(江戸小紋)
こちらは人間国宝の小宮康孝氏による江戸小紋の裂地を使用した親王飾りの雛人形です。派手さはないですが、上品な色合いと、木目込み人形らしい柔和なお人形の雰囲気が素晴らしいお人形です。黒塗りの屏風も上品な風合いにマッチしていますね。
その他の人形メーカー
奥村商店では紹介した以外にも複数のメーカーさんの人形を販売しております。
柿沼東光
歳美(親王飾り 相良刺繍)
玉止めで柄を作る相良刺繍を使用した親王代わりです。木目込み人形の中ではすっとした顔立ちが特徴的です。
皇貴雛(立雛 蘇州刺繍)
伝統工芸である蘇州刺繍を使用した立ち雛です。
幸一光
立太子(衣裳着顔)
衣裳着の顔に木目込みの胴体を合わせた特徴的な立ち雛です。木目込み人形ながら、あどけない可愛さよりも、流麗な美しい雰囲気が印象的な作品です。
若草(親王飾り)
幸一光作の木目込み人形はお顔がモチっとしていてより可愛らしいあどけない雰囲気が特徴です。
まとめ
様々な人形をご覧いただきましたが、それぞれの作家さんによって、お人形の雰囲気が変わります。また、写真と実物では違った印象になることもあります。
奥村商店では、本店2階にいろんな作家さんの木目込み人形を展示しておりますので、それぞれ見比べていただくことができます。
2月末まで販売しておりますので、ぜひご来店ください。
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東京出張レポート2016/6/1~6/2
6月1日〜2日の2日間、節句人形の仕入れと、取引先の方々へのご挨拶を兼ねて、東京出張へ行ってきました。
出張で見てきたもの、感じたことを少しレポートします。
今回は、写真は少なめ、軽めの記事です。
1日目(6月1日)
朝の飛行機で東京へ向かい、訪れた場所は浅草橋。
浅草橋は言わずと知れた節句人形の町で、大小問わず多くの人形店さん、問屋さんが軒を連ねています。
浅草橋では木目込人形のメーカーさんが目当てです。
駅に着くとさすがは節句人形の町、有名人形店の看板がお出迎えです。
改札口にもあります。
浅草橋駅周辺を人形店で検索しても沢山出てきます。節句人形の町は伊達じゃないですね。
浅草橋には節句人形だけでなく、いろいろな商品の問屋さんが立ち並んでいます。古くから浅草橋、蔵前、馬喰町あたりは問屋街として栄えていたようです。
文房具、皮革製品、店頭ディスプレイ用品、花火、造花、洋服etc
一般のお客さんも購入出来るお店も増えているようですので、問屋街の雰囲気を味わいに、町歩きに行くと楽しいですよ。
ちなみに浅草橋周辺には美味しいお店も沢山あります。東京に住んでいた時に行ったことがあるのはこの3軒。町歩きのさいは行ってみてはいかがでしょうか。
焼肉:日本焼肉党
希少部位を食べる焼肉が結構流行ってますが、こちらもそういうお店の一つ。
トウガラシという赤身のお肉がおいしかったです。
焼きカレー:ストーン
お昼時は結構混んでますが、非常に回転が早くあまり待つことはありません。
外はカリッと中は熱々トロトロのチーズとカレーの香りが食欲をそそります。
話題がそれました。話を戻しましょう。
この日、訪れた木目込人形のメーカーさんですが、小売販売もしており、モダンな雰囲気の店舗にたくさんの木目込人形が飾ってありました。
昨今の住宅事情で小型のお人形が好まれる傾向があり、それに合わせて小さいひな人形をメインの商品としているそうです。雛人形というと立派な五段飾りの大きな人形を想像される方が多いと思いますが、小さくて片付けも簡単なものも沢山あるんです。
こちらのメーカーさんのお人形は小さいお人形と言っても、細かい部分までちゃんと丁寧に作られています。例えば、木目込大将(※)の後ろ姿は、脇差(刀)によって陣羽織がめくれているところまで細かく表現されています。
※木目込大将・・・端午の節句で飾る木目込人形のうち、武将の格好をしているお人形。
また、木目込人形特有のおぼこ顔(※)も可愛らしい雰囲気がありとても人気です。
※おぼこ顔・・・赤ちゃんの顔をイメージさせる丸く柔らかい顔の造形。
こちらのメーカーさんでは、前シーズン好調な売れ行きだった小型の親王飾りを中心に仕入れを行いました。 (とは言っても、私が選んだわけではなく、ベテラン陣が探すのを横で見て、写真を撮っていただけなのですが、、、。)
お昼を食べ午後は千葉県にある鎧兜の製造メーカーさんへ。
展示場に入ると武将が使用していた兜や国宝に指定されている兜を模した大小の鎧兜が所狭しと飾られています。
また、兜を作成する工房の中を見せていただくなど貴重な体験をさせていただきました。
五月人形も小型のものが好まれる傾向があり、こちらでも小型の兜飾りを幾つか仕入れました。これまでは最も小さい5分の1スケールのものだったのですが、6分の1の兜飾りも新しく登場しています。小さいと言えどやはり細部まで作りこんであり、立派なものばかりです。来年のシーズンに飾るのが楽しみですね。
さて、この日の仕入れは2件で終了して、都内に戻り日本橋で夕食をとって人形町で宿泊です。
2日目(6月2日)
二日目は再度浅草橋へ向かい、衣装着人形メーカーさんにご挨拶へ伺いました。
人形もたくさん展示してあります。仕入れ時期の人形は、首を差していない人形も沢山あります。こちらのメーカーさんのお人形は、衣装着人形の要であるかさね(※)の色合いがとても上品です。(写真をお見せできないのが残念なのです、、、。)
※かさね・・・色の異なる生地を複数重ねて、自然の色を表現すること。若草、紅梅など。
こちらでは人形師さんともお話をさせていただきました。一つの工房で作られる人形も、衣装の雰囲気に合わせて異なる顔をつけたり、細かい工夫が施されているそうです。
ご挨拶の後は浅草へ移動し、複数の節句人形、お道具の問屋さん、メーカーさんの共同の展示会へ向かいました。
展示会場にはやはり沢山の人形が飾られています。
こちらでも各メーカーさんや問屋さんの皆様にご挨拶。
これまであまり取引先の方々とお会いしていなかったせいか、節句人形に携わる人が少ないことを不安に思うことが多かったのですが、会場には日本全国から業界に携わる方が集まっており、そんな不安も吹き飛ばすような活気がありました。
また、各社さんの後継者の方達(同年代の方もたくさん)とも挨拶をさせていただき、立場や役割は異なりますが一緒に働いていくことができる方がたくさんいらっしゃることを知り、とてもやる気が出ました。
今後、商売を続けていく上で、私なりに人脈を広げていきたいなと感じました。
その後、浅草でお昼を食べて、三ノ輪へ向かいました。
次の目当ては、奥村商店の玩具店の取引先である株式会社オンダさんです。
オンダさんは先日のブログで紹介したようなおもちゃや、玩具花火の製造・問屋さんです。
全国のおもちゃ屋、コンビニ、ディスカウントストアなどへおもちゃを卸していらっしゃいます。
(写真中央の青い看板の建物がオンダさん)
オンダさんでは担当の営業の方に案内していただき、おもちゃや玩具花火の見本置き場、配送センターなどを見学させていただきました。
おもちゃ・玩具花火見本置場
このコーナーからおもちゃや花火の見本を持って日本全国津々浦々まで出張へされるそうです。出張の際にたくさんの商品を抱えて店に来ていただいています。大変頭が下がるところです。
配送センター(倉庫)
日本全国を相手に取引をされていますので、大量の駄菓子・玩具の出荷準備が行われています。訪れたのが午後だったので、この時間帯は少なめのようです。
また、オンダさんは昨年放送されたTVドラマ「流星ワゴン」で主人公永田一雄(西島秀俊さん)の職場としてロケに使われたそうでして、そのロケで使用されたトイレも見せていただきました。
流星ワゴンの公式ツイッターでも写真がツイートされていますね。
西島、香川2人の初絡みは、
— 流星ワゴン (@ryuseiwagon_tbs) 2014年11月29日
なんと汚いトイレの中!!!
初めての2ショット pic.twitter.com/ngvMOjfDIy
一通り見学が終わった後は、担当の営業の方と専務さんとお話をさせていただきました。
これから夏場にかけて、玩具花火、水鉄砲、縁日商品などの需要が高まりおもちゃ業界が活気付くシーズン。お忙しい中時間を作っていただきありがとうございました。
感想
今回の出張ではいろいろな商品を見ることをできましたが、何よりも節句人形業界の様々な方とお会いできたのがとても良かったと思います。
インターネットで”もの”を買うことができる時代、節句人形も同様にインターネットを介して販売されているお店が沢山あります。
奥村商店でも今後、オンラインショッピングを取り入れていくのかどうかは決めていないのですが、どのように販売するにしても自分自身がその商品の良さを知り、お客様に分かりやすい形で提供していく必要があります。そのためにも、商品を作っている方から直接お話を聞く機会を増やし、より現場の生の声をお客様に伝えていくことを心がけたいと思いました。
いい経験を積むことができた2日間でした。
さて、先週も行ったばかりですが、今週も東京おもちゃショーへ行くため東京出張です。おもちゃショーの様子もまたレポートさせていただきますね。
では本日はこの辺で。
※写真は浅草寺
株式会社 奥村商店
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店舗の紹介①本店
こんにちは。前回の更新からだいぶ経ちました。
だんだん暖かくなってきていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は奥村商店の店舗を紹介したいと思います。同じ敷地に2つの店舗があること、扱っている商品が多岐にわたっていること、など、どんなお店なのかなかなか説明がむずかしいので、この紹介で少しでもイメージしやすくなればと思います。
では奥村商店はどこにあるかというと、福岡市営地下鉄呉服町駅から徒歩1分の場所です。
2つの道に挟まれた敷地に、本店、玩具店の建物があります。それぞれの店舗が異なる通りに面しており、以前、『2つの顔を持つお店』としてももち浜ストアという番組で取り上げられたことがありました。店舗は分かれているのですが、両店舗とも同じだけの思い入れを持って営業しています。
とは言いましても、それぞれ個別に紹介した方が分かりやすいので、まず今回は、本店について少し詳しく紹介します。
早速お店の様子を見ていただきたいと思います。
こちらが店舗の外観写真です。
先ほどの地図でいうと、ちょうど双眼鏡の位置から見た写真です。下図の青枠部分が本店の敷地です。
現在は、5月5日のこどもの日(端午の節句)に向けて五月人形を販売しているので、店頭には鯉のぼりを飾っています。季節外れの鯉のぼりですが、晴れた日には気持ちよさそうに泳いでいます。
次は店内です。
通路を挟んだ左右と真ん中の島に、シーズンごとに商品を入れ替えて営業をしています。商品入れ替えのスケジュールはだいたい以下の通りですが、シーズン外でも、お問い合わせいただければ対応いたします。
◆3月〜5月連休前まで・・・・鯉のぼりや鎧兜などの五月人形。
◆5月〜8月まで・・・・盆提灯。
◆5月〜10月まで・・・・花火(※期間外は売り場を変えて1年中販売。)
◆11月〜12月まで・・・・羽子板、破魔弓などの正月飾り。
◆11月〜2月まで・・・・ひな人形。
店舗中央には、戦後、営業を再開した時の木の看板を掲げています。昭和26年ごろのもですので、色褪せてきていますが歴史を感じさせる雰囲気があります。
そして、その看板の真下には、当店が誇る逸品の展示コーナーがあります。各シーズンで一押しの商品を飾っていますので、当店へお越しの際は是非ご覧ください。
また、鯉のぼりのシーズンはサイズ見本として、最大5メートルの鯉のぼりを店内に飾っております。サイズ選びにお役立てください。
それでは2階へ移ります。
2階では、小さいながらもこだわりの商品を展示しています。昨今の住宅事情により、大きなものを飾るスペースがないご家庭もあるかと思います。小さくても存在感のある商品をお探しの方は、ぜひ当店へお越しください。お客様が思い描くものがきっと見つかると自負しております。
たくさん商品があり、迷ってしまうという方も大丈夫です!腰掛けていただけるスペースがありますので、座ってご家族同士や販売員とゆっくりご相談いただきながら商品を見ていただくこともできます。
さて、これで本店の店舗紹介はおしまいですが、本店で扱っている商品をもう少し紹介したいと思います。本店では、『際物(キワモノ)』と呼ばれる季節の間際に販売される商品を取り扱っています。具体的には、ひな人形や五月人形に代表される節句人形、お正月の羽子板や破魔弓、夏季では盆提灯です。(なお、花火に関しては、本来であれば『際物』に分類される商品ではありますが、上述の通り、当店では1年を通して販売しています。)
節句人形はお祝いの品物という印象が強く、お子様やお孫様が身近にいらっしゃらない方々はあまり関わりがないと思われるかもしれません。しかし、節句人形は日本の季節ごとの風景をその季節らしく演出し、情緒を感じることができるものでもあります。「ああ、長く本物の鯉のぼりを見てないなあ」という方にも、当店へ足を運び情緒を味わっていただきたいと思います。また、店舗のディスプレイなどに季節感を出したいという方にも何かアドバイスができるかもしれません。お気軽に足をお運びいただければと思います。
(店舗に来ていただき、展示をご覧いただくだけでも結構です。「ここは美術館だ!」と飾り付けを見に来られるお客様もいらっしゃいます。玩具・駄菓子を見に来られたお客様も、、、。)
長くなりましたが、さて、今は五月人形のシーズンです。
まだ目当ての品が見つかっていない方、今後の参考のための下見の方、少しでも五月人形に興味を持たれた方、ぜひお越しくださいませ。いずれの方でも、店員総出でお出迎えいたします。きっと面白い体験となると思います。
ということで、本日はこの辺で。 次回は玩具店の紹介です。
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