人形、駄菓子、玩具と花火(福岡市博多区奥村商店のブログ)

福岡市博多区中呉服町の奥村商店のブログです。ひな人形、五月人形、駄菓子、玩具の販売を行っています。

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雛人形の紹介〜木目込み人形編〜

節分もとっくに過ぎて、ひな祭りまで残り1ヶ月も切りました。

雛人形立春ごろから飾ると言われますが、そろそろ準備はお済みですか?

立春から飾るといっても、厳格なルールというわけではないので、「好みの人形がまだ見つかっていない!」という方もご安心ください。

今回のブログでは、雛人形の紹介ということで、まずは木目込み人形のお雛様を紹介していきたいと思います。

木目込み人形とは?

概要

木彫や桐塑(とうそ:桐の木を粉末にしたものを粘土に混ぜ合わせたもの)で人形を作り、裂地(織物、布)を貼り付けて装飾した人形のことを言います。人形にあらかじめ溝(目地)を作っておき、その溝(目地)に布を押し込みながら衣装を着せるため、木目込みと呼ばれます。

江戸時代初期ごろに京都の賀茂神社で発祥したとされ、その後江戸で発展したようです。現在は江戸木目込み人形として、雛人形や武者人形、その他の人形が作られます。

木目込み人形色々

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桐塑(桐の粉と粘土で作られた木目込み人形の胴体部分)

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木目込み雛人形の特徴

コンパクトなお人形

木目込み人形は、衣裳着の人形と比較してコンパクトな商品が充実しています。衣裳着の人形は十二単など、実際に着物を着用している姿を表現する為に、布を重ねるのでお人形のサイズを小さくするのに限界があります。一方で、木目込み人形はある程度小さく作っても衣裳を重ねずに、着物を表現することが出来ます。ですので、衣裳着のお人形よりも、比較的小さくコンパクトなものが多いです。

昨今の住宅事情から木目込みの雛人形をお求めになるお客様も多くいらっしゃいます。

コンパクトサイズ(花香雛 原孝洲作)

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横幅36cm奥行き20cmと超コンパクトサイズの親王飾り。小さいながら丁寧な作りです。

 

おぼこ顔

おぼこ顔とは、子供の顔の形をイメージした顔です。衣裳着の雛人形では、すっとした平安美人の顔が一般的ですが、木目込みの雛人形ではこのおぼこ顔が付いています。

顔の形は丸っこくて、目は笹目と言われ手書きの線で描かれています。子供のあどけなさが表現されており可愛らしい印象です。お客様の中には、お子さん、お孫さんの顔に似ていると気に入られて購入される方もいらっしゃいます。

おぼこ顔(原孝洲作 瑞光雛) 

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柔和な赤ちゃんを思わせる可愛らしいおぼこ顔です。筆で描かれており、繊細な技術が光ります。

 

木目込み雛人形のメーカー 

ここでは奥村商店で取り扱う木目込み人形をメーカーごとにいくつか紹介したいと思います。メーカーさんの名前は人形師さんの名を冠したものが一般的ですが、その人形師さんが全てを作っているというわけではなく、分業されており、いわばデザインや仕上げなどの監修を行なっているというように考えていただければいいと思います。もちろん、一からお人形を作り上げている人形師さんもいらっしゃいますが。

 

人形師 原孝洲

奥村商店の新聞広告にも使用している木目込み人形の作家さんである人形師 原孝洲。東京は浅草橋を拠点とする江戸木目込み人形のメーカーさんです。無形文化財に指定された先代・原米洲の技術を受け継いだ原孝洲さんの木目込み人形は可愛らしい印象が特徴的です。

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こちらはわかくさ雛という十五人飾りのお人形です。小さいながら、ひとつひとつの人形が丁寧に作られています。例えば、お掃除道具を持つ三人組の仕丁。

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(左:怒り顔/右:泣き顔)

仕丁はそれぞれ異なる道具を持っており、怒り顔、笑い顔、泣き顔をしていますが、笹目の技法で細やかに顔が表現されています。シンプルな線の角度や太さで表現されるお人形の顔に技術の高さを感じます。 

また、飾り台にも特徴があります。

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台の下は引き出しになっており、十五人全てをしまうことができ、収納時もコンパクトです。住宅事情に配慮しつつ、デザイン性も高いのが原孝洲のお人形です。

 

原孝洲ホームページ

雛人形のご紹介|雛人形の人形師原孝洲の作品

原孝洲作のお人形はネットからも購入いただけますが、『マスターショップ一覧|雛人形の人形師 原 孝洲』に奥村商店も指定されております。

九州では奥村商店の一件のみのようです。お人形を手にとってご覧になり購入されたいという方は、ぜひ奥村商店へご来店ください。

 

千歳雛(純金箔京蒔絵)

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大和雛(親王飾り)

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東玉工房 賢一(雛匠 東玉)

関東の人形の町と呼ばれる埼玉県岩槻市の人形メーカーの雛匠 東玉(人形の東玉)さん。衣裳着のお人形も作っていらっしゃいますが、江戸木目込み人形の大家である鈴木賢一氏が所属されてたことから現在も賢一というブランドで木目込み人形を販売されています。(鈴木賢一氏は2010年に亡くなっていらっしゃいます。)

節句人形を制作されている人形師さんの中では数少ない日本工芸会の正会員であり、雛人形のみでなく数々の人形を制作され、その技術が高く評価されています。

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現在は、東玉工房 賢一として、お弟子さんたちによって制作されています。

鈴木賢一氏プロフィール

木目込人形・鈴木賢一の閲歴|埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)

 

豊和の春(江戸小紋

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こちらは人間国宝の小宮康孝氏による江戸小紋の裂地を使用した親王飾りの雛人形です。派手さはないですが、上品な色合いと、木目込み人形らしい柔和なお人形の雰囲気が素晴らしいお人形です。黒塗りの屏風も上品な風合いにマッチしていますね。

 

その他の人形メーカー

奥村商店では紹介した以外にも複数のメーカーさんの人形を販売しております。

柿沼東光

歳美(親王飾り 相良刺繍)

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玉止めで柄を作る相良刺繍を使用した親王代わりです。木目込み人形の中ではすっとした顔立ちが特徴的です。

皇貴雛(立雛 蘇州刺繍)

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伝統工芸である蘇州刺繍を使用した立ち雛です。

幸一光

立太子(衣裳着顔)

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衣裳着の顔に木目込みの胴体を合わせた特徴的な立ち雛です。木目込み人形ながら、あどけない可愛さよりも、流麗な美しい雰囲気が印象的な作品です。

若草(親王飾り)

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幸一光作の木目込み人形はお顔がモチっとしていてより可愛らしいあどけない雰囲気が特徴です。

 

まとめ

様々な人形をご覧いただきましたが、それぞれの作家さんによって、お人形の雰囲気が変わります。また、写真と実物では違った印象になることもあります。

奥村商店では、本店2階にいろんな作家さんの木目込み人形を展示しておりますので、それぞれ見比べていただくことができます。

2月末まで販売しておりますので、ぜひご来店ください。

 

住所 福岡県福岡市博多区中呉服町2-24

福岡市営地下鉄呉服町駅、蔵本交差点徒歩1分の距離です。駐車場もございます。

電話(節句人形・花火)092-291-5043

電話(玩具・駄菓子 )092-281-1578

HP   奥村商店ホームページ

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